診断実践協会

企業向け

診断実践協会は、事業(会社)と士業(専門家)をよりスピーディで丁寧な縁結びに導くことを目的とするコミュニティー運営機構です。

活動記録 TOPICS

AIで「ヒヤリ」を可視化する——減らない労災を本気で減らすには

死亡災害は減少傾向にある一方で、「休業4日以上の死傷者数」は増加が続き、現場では労災リスクが依然として大きな不安要因となっています。高齢化や人手不足、経験の浅い作業者の増加などを背景に、転倒・墜落・挟まれといった“基本動作レベル”の事故が繰り返されているのが現状です。

■ 安全活動はあるのに「伝わらない・活かしきれない」

多くの企業では、マニュアル整備や安全教育、KY(危険予知)活動、ヒヤリハット報告などに取り組んでいます。しかし、紙の帳票や個人ノートに経験が眠ったままになっていたり、「やったことにする」ための形骸化した運用にとどまっていたりするケースも少なくありません。その結果、ベテランの暗黙知や過去のヒヤリハットが共有されず、「新しい人が新しい現場に入る瞬間」にこそ必要な注意情報が届いていないというギャップが生じています。

■ AIで「経験知」を掘り起こし、タイムリーに届ける

こうした課題に対し、近年はAI(人工知能)を活用して過去の災害・ヒヤリハット・トラブル情報を蓄積・分析し、「どの作業・どの場所で・どのような災害が起こりやすいのか」を見える化する取り組みが進んでいます。作業条件を入力すると類似事例から注意ポイントを自動抽出する仕組みや、カメラ映像・センサーと連動して、安全帯未着用や立入禁止エリアへの侵入、重機接近時の危険をリアルタイム検知してアラートを出す仕組みなど、「分かっているけれど徹底しきれない」を補う仕掛けが現場に入り始めています。

一緒に次の一歩を考えませんか?

労災の多くは、正しい知識と現場に合った仕組みづくりによって未然に防ぐことができると言われています。過去の経験が共有されず、忙しさの中で注意が徹底されないまま、同じ事故が繰り返されてしまう…。もしその状況に少しでも心当たりがあるようでしたら、改善に向けて一歩踏み出すタイミングかもしれません。

今こそ、AIと現場の声を活かしながら「安全が続くしくみ」を整えることが求められています。必要なのは難しい構想ではなく、自社の現場に寄り添った具体的な改善です。

診断実践協会は、その一歩を一緒に考え、課題解決を並走するパートナーでありたいと考えています。