活動記録 TOPICS
診断実践協会(以下、診実会)では、ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)は組織の方向性をそろえ、意思決定の基準を共有するための重要な指針だと考えています。
一方で近年、「MVVにどれだけ合致しているか」を中心に人を評価した結果、組織開発がうまく進まなくなるケースも見受けられます。
■ MVVを“物差し”にしすぎると起きること
MVVは本来、迷ったときに立ち返る“羅針盤”です。
しかし合致度が評価の中心になると、成果や改善よりも「MVVらしい振る舞い」が優先されやすくなり、現場に次のような影響が出ることがあります。
- 異論や違和感が言いにくくなり、学習や改善の機会が減る
- 「合っている/合っていない」が主観的になり、説明しづらい評価につながる
- 組織の多様性が薄まり、変化への対応力が落ちる。
■ 診実会が重視する考え方
診実会では、MVVと評価制度を連動させる際、次の点が重要だと考えています。
・成果と行動を分けて設計する
成果(何を達成したか)と行動(どう進めたか)を切り分け、評価の意図と重みづけを明確にします。
・行動評価の“目的”を混同しない
行動評価には、価値観を浸透させるための評価と、成果につながる行動特性を再現するための評価があり、目的が異なります。混同すると、評価が曖昧になりやすくなります。
・“従っているか”ではなく“問い直しているか”を見る
変化の大きい環境では、異なる視点や提案が組織の前進に直結します。MVVを起点に、問い直しや改善につなげているかという視点が重要です。
■ MVVは「更新し続ける言葉」
MVVは固定された正解ではなく、事業や環境の変化に応じて、解釈や行動例を更新し続けるものです。
その「更新・再設計のプロセス」こそが、組織開発の土台になります。
診実会は、MVVを“判定の基準”に閉じ込めず、“対話と学習を生む共通言語”として活かす組織づくりを支援していきます。