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借入金返済力を見誤らない “債務償還年数”で自社の健全性をチェック

「黒字なのに、なぜか資金繰りが苦しい」――そんな経営者の声をよく聞きます。原因の多くは、利益ではなく「返済に回せる現金」を見ていないことにあります。そこで鍵になるのが、借入金を何年で返せるかを示す「債務償還年数」です。

◇ 債務償還年数とは何か

債務償還年数は、(短期借入金+長期借入金)を営業活動によるキャッシュフローで割って求めます。事業で生み出した現金だけで、いま抱えている借入金を返し切るまでに何年かかるかを表す指標です。

目安としては、3年未満なら健全、4〜10年は要注意、10年以上になると借入過多と見なされ、金融機関からも厳しい目で見られます。売上高や手元現金だけを見ても返済余力は分かりません。大切なのは、安定して現金を生み出せているかどうかです。

◇ 銀行が重視する「返済原資」

金融機関は「税引後当期純利益+減価償却費」を返済原資として重視します。役員報酬を一時的に抑えて利益を良く見せても、適正水準に修正して判断されるため、ごまかしは通用しません。どれだけ継続的にキャッシュを生み出せるかが、融資姿勢や取引条件を左右します。

◇ 債務償還年数を改善する3つのポイント

  • 本業の採算性を高め、営業キャッシュフローを増やす
  • 短期借入を長期借入へ借り換えるなど、返済スケジュールを平準化する
  • 「借入金月商倍率(借入金÷月商)」を定期的に確認し、3倍以内を目安にコントロールする

自社の返済力チェックは診断実践協会へ

診断実践協会では、債務償還年数をはじめとした財務分析を通じて、経営者のみなさまの意思決定をサポートしています。自社の返済力を客観的に知りたい方は、ぜひ診断実践協会までお気軽にお問い合わせください。